こんにちは。

「女性の宝」と呼ばれている生薬に「当帰(とうき)」があります。

「当」と字は「まさに…べし」と読み、意味は「当然…すべきだ」「きっと…だろう」と読むことができます。つまり、「当帰」は「まさに帰るべし」「きっと帰るだろう」と訳すことができるわけです。

「女性が婚家に帰る」「夫が妻のもとに帰る」「女性の体がもとに帰る」…と幾つか意味があるようですが、要するに「女性の心身のトラブルに起因する諸問題を解決してくれる」…というありがたい生薬だからです。

「当帰」はセリ科の植物トウキの根を乾燥させたもの。セロリに似た特有の強い芳香があります。

すべての「血症」に重要な生薬と言われています。

女性は毎月の月経で多くの「血」を消耗してしまい、さらに妊娠、出産、授乳には十分な「血」が必要です。ですから、妊娠しやすい体づくりのためには、十分な「血」が必要です。なので、女性は常に「血」を養うことに気を付けることが大切で、「血」の不足、「血」の汚れ、ドロドロした「血」は女性を悩ますトラブルとなります。

つまり、女性の一生は「血」と切っても切れない関係にあると中医学では考えているわけですが、「当帰」は足りない「血」を養うので、月経不順、無月経、貧血などを改善することが期待できます。月経を整え、月経に伴う心身の不調を改善する「婦人の妙薬」として有名ですが、薬理的にも免疫を高める作用、鎮痛作用、鎮静作用など多彩な働きを示していて、広く応用されています。

月経で「血」を失う女性は、もともと「血」が消耗しやすいので、失った分タップリ「血」を補うこと、「血」を全身に巡らせることを理解する必要があります。銀行口座と同じように、引き出したら貯金することが、更年期や老後への確実な備えとなります。