こんにちは。

便秘の人、結構多いですよね。今回は漢方薬の便秘薬についてです。

下剤の常用は、悪循環に陥る恐れがあるので注意が必要です。中には何年にもわたって、下剤の服用を繰り返す…という人も。

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体力のある人にみられる便秘には、「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」のような瀉下薬(しゃげやく)が効果がいいです。「タケダ漢方便秘薬」「ササラック」などが、これにあたります。

ただ、この種の下剤は、痩せてほてり感や体の乾燥感があるような、陰虚(体液不足)タイプの人の便秘には、単純には使えません。

例えば、齢によって腸液や体の水分が不足気味な時に下剤を使って無理に通便させると、腸液も一緒に消耗してしまうんです。結果、腸管の潤い不足が起こり、ますます排便が難しくなるんです。

発汗やおう吐などによって、体液を多量に消耗している時などは、特に慎重に…。

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このようなタイプの人の便秘には、腸を潤す水分を補いながら排便を促すことが原則となります。そんな時は、腸を潤す作用をもった地黄(じおう)・当帰(とうき)、油脂を含み潤腸する麻子仁(ましにん)などの生薬を使うんです。

麻子仁の入った代表的な処方に「麻子仁丸(ましにんがん)」があります。「麻子仁丸」は腸に油をさして滑りをよくするような処方。特に「ウサギの糞」のようなコロコロ便が出る人に適しています。乾燥体質の高齢者の便秘は「麻子仁丸」タイプが多いようです。

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なお女性は、産後、生理不順などで血液を消耗し、血虚(血の不足)による便秘になりやすいんです。この場合には、「麻子仁丸」に、血を補う「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」を一緒に使うといいんです。こちらには、地黄と当帰が入っています。