こんにちは。
漢方薬には「全く副作用がない」という「安全神話」のようなものがありますが、この言い方には少し抵抗があります。
勝手な「安全神話」が作られて、ちょっと問題が起きると袋叩きにあうのでは、ボクとしてはたまりません…。
西洋薬に比べて、漢方薬の副作用は比較にならないほど少ないです。
新聞や週刊誌などで取り上げられている「副作用問題」とはどんなものか…。その大半は漢方薬を良く知らない人による誤用から来るものですが、漢方薬そのものに一定の副作用を伴うのも事実です。
これについては、約2000年前に記された古典「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にも記載されていて、漢方薬は副作用の有無と作用の強弱により「上品」「中品」「下品」に分類されています。
「上品」は命を養う薬とされ、生薬そのものに強力な作用は持っていないものの、処方全体の作用を調節し、他の薬の副作用を軽減する目的で配合されるもの。
「中品」は体質を改善する薬とされ、大量に摂取すると副作用が出るが、正しく使用すれば穏やかな作用で新陳代謝を上げ、病気を水際で食い止めるもの。
「下品」は、実際に病気を治療する効果の中心となるもので、強い効果を持つ反面、摂取する量や期間に注意が必要とされるもの。
急性的な病に対処する場合は、効き目が著名な「下品」を、長期的に服用することで穏やかに身体に作用するのは「上品」…という使われ方だと思います。
漢方薬は生薬の組み合わせによって副作用が出にくくはなっていますが、漢方薬といえども、程度の差こそあれ副作用を伴うことがあるというのを知っておくのが大切だと思います。