こんにちは。

難産や帝王切開のみならず、自然分娩でも体は大きく消耗されます。体に最も大切なたくさんのエネルギーである「気」、栄養の元である「血」、生命の源である「腎精」…。

赤ちゃんを出産されたお母さんは この、消耗された「気」「血」「腎精」を補うことができないと女性ホルモンの働きが低下して老化が早まり、肌荒れ、肌の乾燥、くすみ、しみ、しわ、髪にツヤがなくなる、パサつく、抜け毛が多くなる、うつ病、不眠、更年期になると様々な症状があらわれたりします。

確かに、出産を機に病気を発症されたり、体調を崩されたり…ということはよく聞きます。それだけ、出産時、「気」「血」「腎精」の消耗は激しく、体が虚弱になっているわけです。そして「虚に乗じて邪が入り込む…」とあるように、それが引き金となり、病気や体調不良になっていくのだと思います。

特に、産後1ヶ月から100日までは「産後の養生」が大切です。出産してから1ヶ月以内にかかった病気は「産後病」と言われ、一度かかった「産後病」は、100日までに治さないと、その影響は次のお産まで続くと言われているからです。

まずは、産後は「気」「血」「腎精」を補い、体力を回復すること、血流を良くする…ということがポイントです。

産後は、少量の出血が何日か続きます。これを「悪露(おろ)」と言い、普通なら7~10日前後で止まります。出血量が多く、ダラダラ2週間以上続く場合や、全く出血がなく、お腹が張り腹痛を感じる場合…いずれも血流が良くないため子宮の回復に悪い影響を与えます。産後の子宮を順調に回復させるため、血流を良くする必要があります。

また、中医学では「母乳は血の一部」と考えていますが、「気」「血」を消耗した状態では、母乳にも影響が出ることがあります。

「睡眠不足」はお母さんの悩み…。夜泣きや夜間の授乳で、十分な睡眠がとれません。熟睡できない場合、翌日は体がダルく、食欲も落ちることも…。この状態が続くと心と体も限界に…。「産後のうつ」は出産時の「気」「血」の消耗が原因。産後、「気」「血」を補うことで、「肝血(自律神経をコントロールする臓器)を素早く補うので、うつや不眠、不安、動悸などの自律神経のアンバランスから来る症状を予防するので、うつまで進むのを防ぐと考えます。

そして、産後は体力の消耗により、カゼを引きやすかったり、関節痛を起こしやすくなります。産後は体を冷やさない様に気を付ける必要があります。産後3ヶ月は、洗濯や食器洗い、歯磨きも温水で行うこととされています。

産後を元気に過ごすために「産後の養生」に加え、漢方薬を上手に利用されるといいと思います。