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月経は、妊娠の準備として子宮の中で厚くなった子宮内膜が、妊娠しなかった場合に不要となって体外に排出されることを言います。

子宮内膜は、子宮という小さな部屋の壁に敷かれた絨毯(じゅうたん)のようなもので、卵巣内の卵胞から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用で内膜は厚くなっていきます。そして、排卵が起こると、卵胞は黄体へと変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。

プロゲステロンの役割は「受精卵を迎える準備」…、受精卵が子宮に着床しやすいよう、子宮内膜をフカフカな状態にして待機する役目をしています。卵子が受精すると、受精卵は1週間ほどで子宮の中に運ばれ着床し妊娠します。

一方、妊娠しなかった場合、黄体の寿命である約2週間が過ぎると、子宮内膜はプロゲステロンの低下に伴って剥がれ、毛細血管も断裂して出血し、子宮内に溜まって排出され月経が始まります。

月経痛は、「プロスタグランジン」…という子宮の筋肉を収縮させる作用をもつ生理活性物質によって起こります。

子宮内に剥がれた内膜の組織や経血が溜まると、子宮はそれを異物と認識し、押し出そうと「プロスタグランジン」が分泌します。月経中は、ちょうど歯磨き粉のチューブを絞り出すように、子宮に陣痛のような収縮が起こっているので、誰でもわずかな痛みがあります。

しかし、その痛みがひどく、生活に支障が出る状態は「月経困難症」と呼ばれます。

「月経困難症」の場合、鎮痛剤で痛みを抑えることが多いです。鎮痛剤には「プロスタグランジン」を阻害する働きがあるので月経痛に効果があります。ただ、「プロスタグランジン」には痛みや腫れを引き起こす作用がありますが、同時に血行促進の作用もあるので、阻害すると血液の循環が低下します。

中医学では、血液のめぐりが悪く鬱血する…いわゆる「瘀血(おけつ)」が原因と考えます。「不通則痛」(通じざれば、即ち痛む)という有名なコトバがありますが、気血の流れを傷害され代謝障害が起こると、痛みが出る…という意味です。

「瘀血」の特徴として、
・月経の2、3日前から月経開始2、3日目に下腹部が締めつけられるように痛む・冷えなどの寒さにより痛みが増し、温めたり経血量が多くなると痛みが解消する・月経期間が長くなったり血液の色が暗紫色になったり、レバー状の血の塊が混じったりします。

特にこの時期、女性にとって「冷え」が大敵で、冷えると子宮の血管も縮んでしまって子宮の動きが鈍くなり、月経のときの経血や子宮内膜の排出がスムーズにいかなくなることがあります。そして「月経困難症」もひどくなることがあります。

だから女性は特に、冷えや痛みを実感する月経のときだけでなく、いつも血を補い、血の流れを良くしながら「温める」ことが大切です。

体を温め血行を良くするためには、当帰を含む「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などがおススメですが、特に痛みがひどいときは、より経血や子宮内膜の排出を促してあげる活血剤との併用が効果的です。