こんにちは。
皮膚炎・かぶれは何故悪化するか…。
それは「痒み」を我慢できず、「掻く」ことが刺激となり、症状悪化のキッカケとなるからだと考えられます。
痒いから掻く、無意識に搔き続ける→搔き壊すことで炎症は悪化し、患部が化膿してジュクジュクしてくる→炎症が痒みを起こし、さらに痒くなる、痒いからまた掻く…。この悪循環に陥ると、症状はドンドン悪化してしまいます。
「痒み」は、ヒスタミンに代表される化学伝達物質が知覚神経を刺激するために起こるのですが、ボクは「そこに何かあるから掻いて取って!」という体からの警報だ…と考えています。
よく、「痒み」は火災報知機に例えられます。「うるさいから…」と消しても、また鳴り出しますが、それはそこに「火事」があるからです。「痒み」という警報だけを止めてもダメだ…ということです。
ボクたちの体では、様々な刺激に対する防御反応として、「免疫システム」が働いています。
「免疫システム」は体を守ってくれる大切な働きをしていますが、過剰に働くことで炎症が起こり、体にとってむしろマイナスになってしまうことがあります。
刺激を受け、免疫細胞が活性化すると、病変部位に白血球が集積し、炎症が悪化します。
刺激を受けた細胞は、サイトカイン(IL-1、TNF-αなど)やエイコサノイド(プロスタグランジン、ロイコトリエンなど)、ケミカルメディエイター(ヒスタミン、白血球遊走因子など)などを分泌→病変部位に好中球やマクロファージなどの白血球を呼び寄せ、白血球は様々な炎症誘発物質を放出・分泌→白血球が病変部位に集まる過程で毛細血管が拡張し、血管の透過性が亢進…、血液の流量が増加することで皮膚が赤くなり、血液成分が組織に漏れ出すことで腫れが起こることで「炎症」を起こします。
皮膚が炎症を起こし、局部に黄色いカサブタ、ジュクジュク、赤いブツブツが見られ、肘や膝の内側や、首がジュクジュクし皮膚が厚くなっている「急性期」、赤あるいは紫色でゴワゴワ、カサカサ、亀裂のある肌の状態で痒みが激しく、掻き毟ると出血する「混在期」の場合、体の中で炎症が起こっている…と考えられます。
その場合、中医学的には「清熱」「解毒」「涼血」「利湿」の漢方薬で対応することになります。現代医学では「清熱=抗炎症作用」「解毒=抗菌・抗ウイルス作用」「涼血=血液免疫反応抑制(CRP高い)」「利湿=粘膜炎症抑制」という考え方になり、「免疫システム」を正常に戻すことを目的にしていると言えます。
ですから、漢方薬は皮膚病に対して有効な治療法であると言えると思います。