こんにちは。

先日、閉店後に中医皮膚病IP講座がありました。

今回は、担当中医師の楊達(ようたつ)先生による「疣贅(いぼ)」についてでした。

疣贅(いぼ)の原因は、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス:HPV)感染症で、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、青年性扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)などがあります。

掻くことで広がる(ゲブネル現象)ことから、掻かない工夫が必要です。

扁平疣贅の特徴は、円形~多形性の発疹で、好発部位は顔面と側頸部、手の甲など。青年期に多くみられます。治るころに痒くなり赤くなる…という特徴もあるので、逆に悪化したと思って治療を中止しないようにしなければなりません。

ニキビと似ているので区別が難しいですが、「ニキビは毛包と一致」するのに対し「扁平疣贅は毛包と一致しない」、「ニキビはてっぺんがとがっている」のに対し「扁平疣贅はてっぺんが平ら」という違いがあります。

一方、尋常性疣贅の特徴は、粟粒大~エンドウ大でザラザラして硬い隆起ていて、融合することがあります。指先、足底、四肢や、口唇、舌、咽頭にも生じる場合も…。小児に多いのが特徴です。

タコ(胼胝:べんち)や魚の目(鶏眼:けいがん)に似ていますが、「尋常性疣贅はウイルス」であるのに対し「タコや魚の目は機械的刺激」によるもの。そして、角質を水平に削ると、「尋常性疣贅は出血点が認められる」のに対し「タコや魚の目は出血点が認められない」という違いがあります。

病院では、切除、電子焼灼、レーザー療法、液体窒素の冷凍療法などが行われるようです。

ただ、多発したり拡大する場合、漢方薬での対応も有効です。ヒト乳頭腫ウイルスが原因であるので、清熱解毒のものが中心となりますが、皮膚の保護で拡大防止のための対策も重要です。

加えて生活養生…食事の栄養バランス、疲れないよう無理のないように、そして質の良い睡眠も大切なのは言うまでもありません。

楊達先生、ありがとうございました。