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血が汚れていたり、ドロドロしていて流れにくく、つまりやすい…状態を、中学では「瘀血(おけつ)」と呼びます。

中医学では、「瘀血」を体の異常なサインと捉えます。実際、「瘀血」と何らかの関係があるとされる病気は400種類以上…にもなると言われています。

西洋医学で「血管病」…といと動脈や静脈といった太い血管に発生する障害を思い浮かべることと思います。心筋梗塞は冠状動脈という太い血管の障害で起こりますし、脳血管障害も致命傷になるのは脳動脈という太い血管です。

ただ、太い血管に栄養を補給するのは周囲の毛細血管で、異常はまずこうした場所から起こる…とされます。心臓や脳など酸素の消費量の多い器官には、それに見合うだけの毛細血管が張り巡らされているわけです。

全身の細胞に酸素と栄養を供給し、二酸化炭素と老廃物を取り去る…というはたらきが、毛細血管を通じてのみ行われること、また血管の約90%以上を占めていているため「血液循環の中で、特に重要なのは毛細血管だ」と指摘される方も多いです。

一方で加齢とともに毛細血管の本数は減っていくと言われ、20代に比べると60代、70代では毛細血管の量が4割も減少するそうです。これが「老化の原因」…とする人専門家もいるくらいです。

「循環の悪さ」ということを、中医学の「瘀血」と考えられると思います。

科学的な状態で考えると、血液の循環は、血液を送るポンプのはたらきをする「心臓」、血液のろ過を専門に行う「腎臓」、その他ホルモンの分泌を調節し体全体の機能のバランスをとる自律神経のはたらきなどが相互に関連しあって維持されますし、血液そのものの質も需要になってきます。

血液の質を決めるのは血液成分です。血液は「血球」と呼ばれる成分と、栄養素や電解質を含んだ「血漿」と呼ばれる液体成分でできています。「血球」はさらに「赤血球」「白血球」「血小板」の3つに分かれますが、「赤血球」は直径8μm、「白血球」は直径8~10μmです。(1μm=0.001mm)これが直径6μm前後の毛細血管を通るために、「血球」は変形能という能力をもっています。この変形能の低下は、血液の流れを悪くします。

また、ウイルスや細菌が体内に入るなどで「白血球」の粘着能が高まったり、傷ができて「血小板」の凝集能が高まると、同様に血の循環は悪くなります。

つまり、「赤血球」が微小な毛細血管を自在に通るための変形能を高めること、「白血球」の粘着能や「血小板」の凝集能を高めないことが、「血液住管」を良好に保つことと言えると思います。

血液の状態を良くし、血液循環を良好に保つためには①適度な運動②和食中心のバランスの良い食事③ストレスをためない…などの生活習慣の改善です。こうした心がけに加え、その人に合った「瘀血」を改善する漢方薬を飲むこともおススメです。