こんにちは。

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治安の悪さが心配ですが、5日から「リオデジャネイロオリンピック」が始まります。

ブラジルはちょうど日本の真裏…。時間は日本の方が12時間進んでいるようです。

ブラジルは南半球…8月のリオデジャネイロは、暑くもなく寒くもないため、過ごしやすい季節ということなので、「暑さ対策」が勝負のカギになる…というほどではないようです。

北半球の日本の場合、南半球の国に比べて「暑さ対策」が重要です。リオデジャネイロのこの時期の平均最高気温が26℃…だそうですが、2020年の東京はそれよりも遥かに暑いハズです。

猛暑の中、汗とともに流出するのは「津液・水(体に有用な水分)」だけではなく、ボクたちにとって重要な「気」も一緒に消耗されます。

炎暑の時期、疲労倦怠感や無力感を訴える人が増えるのは、発汗により「気」が消耗され、「気虚(気の不足)」状態に陥るためです。また、「津液・水」の生成は「気」のはたらきに頼っているため、「気」が不足すると、せっかく水分を補っても、体に有用な「津液・水」に転化することができません…。

中医学では、暑気と戦うための武器として、「補気(ほき)」「補陰(ほいん)」「清熱(せいねつ)」という治療法があります。つまり、暑さをしのぐには、「津液・水」を補うと同時に必ず「気」を補う方法をとります。さらに、体内の余分な熱を冷まし、「気」と「津液・水」を消耗する要因を取り除かなくてはいけません…。

中医学では「気(エネルギー)」不足と「陰(津液・水)」不足の両方の症状がある場合、「気陰両虚(きいんりょうきょ)」と呼びますが、定番の漢方薬は「生脈散(しょうみゃくさん)」。日本では「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」という名前で販売されています…。

「気」を補う人参、熱を冷まして「津液・水」を増やす麦門冬、収斂作用によって汗の出をおさえ、「津液・水」の流出を防ぐ五味子からなる漢方薬で、中国では夏の暑さを乗り切る薬としてはポピュラーな処方でもあります。

単独で暑熱を鎮め、「気」と「津液・水」を同時に補うものだと「西洋人参」があります。

人参…というと「朝鮮人参」が有名ですが、「朝鮮人参」の温性が強いため、血圧が高い、のぼせやすい人には不向きです。強い強壮作用を発揮する薬は頭にも血が昇ってのぼせ気味になりがちですが、性質が涼性である「西洋人参」は、体のはたらきは元気にしながらも、中枢神経を抑制し、鎮静化させます。「補気」「補陰」「清熱」を1つの生薬でしてくれます。

「麦味参顆粒」や「西洋人参」は、ドーピングには多分ひっかからないハズです…。