こんにちは。
中医学では、気というエネルギーが体内を流れ、これによって各臓器がスムーズに機能し、新陳代謝が行われると考えています。
気の巡りを良くし、臓器の機能をスムーズにするはたらきを「疏泄(そせつ)機能」と呼び、五臓六腑の中でも「肝」の役割と考えています。ストレスがたまると、この「肝」の「疏泄作用が」悪くなり、気が滞り、他の臓器にも異常が及ぶことがあります。
なかでも胃腸に影響を与えることが多く、気の巡りが悪くなると、胃炎や胃・十二指腸潰瘍などが生じやすくなります。下痢や便秘がなかなか治らず、食欲不振・胃のもたれ・おなかの張り・腹痛・吐き気を伴うケースもあります。
胃薬、下痢や便秘の薬を使っても、なかなかよくならない胃腸病には、このような背景が多いと思われます。
このような病気は、複雑な人間関係などに悩む大人だけではなく、最近は子どもにも多く見れるようになってきました。
先日、環境が変わり、考えごとが多くなり、そのために胃腸の調子を落とされた方がいらっしゃいました。病院を受診され、H2ブロッカーや消化管機能改善薬などをずっとのまれていたいました。
「H2ブロッカーをやめると胃酸が上がる…」ということで、のんでいるといいけれど、のまないと出る…という状態でした。
気の巡りが悪くなって、下がるはずの胃気が反対に上がっている状態だと感じました。
そのときにおススメしたのが「開気丸(かいきがん)」です。
最初は「開気丸」をのんでいただきながらH2ブロッカーを服用…。しばらく続けていただき、今は「開気丸」だけで、病院の薬をのまなくても症状が落ち着いて来られ、食欲も出てきたそうです。続けていただいている「開気丸」も、状態に合わせて服用量を加減していただいています。
「開気丸」には芳香性の揮発性成分を多く含む生薬が多く配合されています。木香(もっこう)、枳殻(きこく)、厚朴(こうぼく)、陳皮(ちんぴ)などは、うっ滞した気をスムーズに流すことで胃腸のはたらきを整え、腸内のガスを取り除く作用がありますし、延胡索(えんごさく)は鎮痛作用に優れています。
怒りっぽい、いらつき、憂鬱感などの精神症状を伴う胃腸機能失調に対し、「開気丸(かいきがん)」が効果あります。
「開気丸」はその名の通り、うっ積した気を開く薬で、ストレスと緊張が多い管理社会で力を発揮する漢方薬です。