こんにちは。
最近めっきり寒くなってきました。
夜中に何度もトイレに起き、睡眠不足に悩まされる人も増えてきているように感じます。
暖かいときはそうでもないのに、冷えると何度も行きたくなります…。
中医学には、「腎は二便(大便・小便)をつかさどる」…という言葉があります。
「腎」は、水分の排泄だけでなく、貯蓄、分布も含めた水分代謝のコントロールを行うと考えられています。
そして尿の生成や排泄を、腎の陽気である「腎陽(じんよう)」のはたらきによるものと考えています。
「腎陽」とは体全体の熱源…といったところでしょうか。
「腎陽」が不足している「腎陽虚(じんようきょ)」の人は、寒さの影響を強く受けて、発汗量が減少したり、腎臓での再吸収がうまく行われず、尿量が増えることになります…。
また、「腎陽」には膀胱の機能を助けて尿を漏れないようにする…というはたらきがあります。この機能が低下すると、「水道の蛇口が緩んだような状態」になり、頻尿の原因となる…というわけです。
このため、夜間頻尿を軽減させるためには、「腎陽」を補い、膀胱のはたらきを強め尿漏れ防ぐ方法がしばしば用いられます。
よく、夜間頻尿に有名な処方に「八味地黄丸(はちみじおうがん)」がありますが、これは「腎陽」を補っているわけです。「腎」は老化と関係しますので、老化現象の進行に伴う夜間頻尿には有効です。
「八味地黄丸」のように「腎」を補う処方を「補腎薬(ほじんやく)」と言います。「補腎薬」は、その証(タイプ)、目的によりその種類は様々です。
先程、「腎」は老化と関係すると言いましたが、ボクは老化のスピードを緩やかにするものが「補腎薬」であると思っています。つまり「補腎薬」は1回、2回で効果を期待するものではなく、ジックリと続けて服用することが必要です。
若い方でも、今から老化防止…ということで、「補腎薬」をコツコツ貯金するように服用するのも、10年、20年先の投資として服用することもいいかもしれません。