こんにちは。
日ごとに寒さも厳しくなり、これからの時期は疲れもたまりやすくなります。
空気も乾燥して、カゼやインフルエンザにかかりやすくなるので注意が必要です。
中医学でカゼを考えると、自然界の邪気である「風邪(ふうじゃ)」が、寒邪(かんじゃ)や熱邪(ねつじゃ)などの他の邪気を連れて体に入り込むことが原因…と考えます。
このような邪気の侵入を防いでいるのが、体内をめぐる「陽気」です。
陽気は体を温めて免疫力を高める役割を担っていますが、冬の寒さは陽気を傷つけてしまうため、免疫力が低下してカゼやインフルエンザにかかりやすくなります。
疲労やストレス、病後、月経、加齢などが原因で体内の陽気が不足すると、体が冷えて免疫力が落ち、カゼを引きやすくなってしまいます。
「のどが痛いかな?」「寒気がする」…そんな小さな症状が引き始めのサインです。
カゼのタイプは大きく3つ。
◎冷えタイプ(青いカゼ)
このタイプは、風邪と寒邪が入り込んで風寒タイプ。体が冷え、くしゃみや鼻水、寒気、頭痛といった症状があらわれます。
<オススメ漢方>
葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)、頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
◎熱・炎症タイプ(赤いカゼ)
このタイプは、風邪と熱邪が入り込んで風熱タイプ。また、初期のカゼが悪化して発熱につながった場合や、急な発熱につながった場合や、急な発熱を伴うカゼ、インフルエンザなどにかかった場合があります。
<オススメ漢方>
天津感冒片(てんしんかんぼうへん)、涼解楽(りょうかいらく)、銀翹散(ぎんぎょうさん)、板藍根(ばんらんこん)
◎お腹にくるタイプ(黄色いカゼ)
お腹にくるカゼで、胃のムカつきや食欲不振、腹痛、下痢…といった症状を伴います。このような胃腸のカゼは、体内にたまった「湿(余分な水分や汚れ)」が原因と考えます。
<オススメ漢方>
勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)、香蘇散(こうそさん)、五苓散(ごれいさん)
カゼは治りかけているのに、セキが止まらない…。そんな症状を改善するには、肺を潤して機能を高めることが大切です。のど飴などで潤いを保つのも有効です。
<オススメ漢方>
潤肺糖漿(じゅんぱいとうしょう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、麻杏止咳顆粒(まきょうしがいかりゅう)
引き始めから治りかけまで、カゼの症状はどんどん変化していきます。そのため、使う薬や対処法も時期によって様々です。いずれにしても、早めの対応が重要です。