こんにちは。
陳志清(ちんしせい)先生の基調講演でお話された「不妊症:成功率を高める周期調節法の極意」。
「周期調節法」は月経周期を「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4期に分けて、それぞれの特徴に応じて薬を使い分け、月経周期を整える方法です。
ですから、それぞれがどんな時期なのか…1つ1つ見ていく必要があります。
月経期
月経期は「高温期(陽)→低温期(陰)」への転化の時期。
気血の動きの激しいときで、上手くいかないと「瘀血(おけつ)」になりやすい…という特徴があります。
瘀血の判断基準として、「生理痛があるかどうか」「量はどうか」「塊はあるかどうか」「基礎体温の異常があるかどうか」です。子宮内膜症、子宮筋腫などは瘀血です。
ですから瘀血にならないためにはどうするか…ということがポイントになります。
スムーズに排泄させる条件としては「陽を高めること」。「温経理気活血」がすごく大切。この時期は体を冷やしてはいけない…ということです。
卵胞期
生理の後なので気血不足が出てきます。気血不足なので、ダルさなどが出る場合もあります。
そして、卵胞期は新しい卵胞が育つ時期。卵胞が育つと子宮内膜も厚くなります。そして、そのときに十分な気血が必要となってきます。
このときの判断基準は「基礎体温(BBT)の安定」と「帯下(おりもの)」です。
おりものが増えることは、気血が足りている…と考えられます。
基礎体温の安定性も必要で、不安定だと卵胞が上手く育っていない…ということになります。上がったり下がったり変動が激しい場合は「気滞(きたい)」、凸凹している場合は「痰湿(たんしつ)」が邪魔をしている…ということが考えられます。
排卵期
卵胞が排出されて、「低温期(陰)→高温期(陽)」への転化の時期で、気血の動きが活発になります。
条件としては「陰が十分」であることで、このことは卵胞が大きくなっていることを意味します。
判断基準としては「帯下(おりもの)」で、粘り気が強いものが増えていかどうかで確認することができます。
このときに「陰の中の陽をはたらかせる」「気血の流れをよくする」ということが大切です。スムーズに移行していない場合は「気血の流れが悪い」ということが言えます。
黄体期
着床の準備の時期。子宮内膜が温かくフワフワになっている時期です。
判断基準としては「BBTの高さと長さ(12日以上)と安定性」です。
高温期の期間が12日以上ない場合は流産しやすいし、凸凹している状態は黄体機能不全と考えられます。
このことを踏まえながら、それぞれ「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の特徴に応じて薬を使い分け、月経周期を整えることで、妊娠しやすい条件を整えていく…ということが、中医学的な対応となります。