こんにちは。

ステロイド外用剤がアトピー性皮膚炎治療の主流として使われるようになっていますが、「ステロイド外用剤は使いたくない…」と思っている人も多いようです。

それは、近年、ステロイド外用剤による副作用が取り上げられるようになって、長期に使用すればするほど問題も多い…ということが分かってきたからだと思います。

ステロイド外用剤による主な副作用として…

①表皮細胞増殖や線維新生の抑制作用によるもの
・皮膚萎縮…皮膚が薄くなり、血管が浮き出て見えるようになる
・ステロイド紫斑…内出血
・毛細血管拡張…毛細血管が拡張して肉眼的に見える、皮膚が赤くなる
・酒さ様皮膚炎…赤ら顔。皮膚が薄くなり、血管が浮き上がって赤く見えるようになったもの
・乾皮症
・色素脱失

②ホルモン作用によるもの
・ステロイド痤瘡
・多毛

③免疫抑制作用によるもの
・感染症

④その他
・外用剤による接触皮膚炎

また、全身性副作用としては、ムーンフェイスや骨粗鬆症があります。この場合、可能性のある使用量としては

ストロンゲスト
(小児)5g/日以上 (成人)10g/日以上

ベリーストロング
(小児)10g/日以上 (成人)20g/日以上

ストロング以下
(小児)15g/日以上 (成人)40g/日以上

であるとされていますが、使い方を誤らない限り、ステロイド外用剤の副作用の全身症状はまず起こり得ない…とガイドラインにも強調されています。

それでもステロイド外用剤に関しては、賛否両論あります。

実際は痒くて仕事も勉強も手につかず、生活すること自体が困難な場合、ステロイド外用剤を使わざるを得ないとボクは思います。

アトピー性皮膚炎が悪化する大きな原因の1つは、患部を掻き壊してしまうことですから、痒みを抑えるためには、その力を頼らざるを得ない場合もあります。

また、長い間、ステロイド外用剤を使用していた人が、漢方薬だけで治そうと、急にやめてしまったときにリバウンドが起きて悪化する…といったケースもよくありますので、必要なときには使う方がいいと思います。