こんにちは。
店頭でよくみられる急性段階の皮膚病は、「湿熱(しつねつ)タイプ」「血熱(けつねつ)タイプ」「熱毒(ねつどく)タイプ」と、大体3つのパターンに分類されることが多いようです。
「湿熱タイプ」は、皮膚がジュクジュクとした状態のことを言います。たとえば、腫れっぽい、むくみ、水疱、痂皮、掻くと汁が出る、ただれ、汁が出るジュクジュク、汁が出るゴワゴワをしている皮膚の状態などです。
「血熱タイプ」は、赤い皮膚病のこと。赤みや熱感があり、温まると悪化したりひどくなったりがあります。夜に悪化したり、乾燥を伴うこともありますが、掻くと血が出たり…ということも。
「熱毒タイプ」は、化膿や感染があるような皮膚状態です。感染系の皮膚疾患が特徴ですが、全身性の紅皮症も「熱毒」が絡んでいることも。
ただ、これらのタイプは単独で…ということは少なくて、重複して見られるケースが多いです。
また、ステロイド外用剤を使っている人は、一見するとこれらの症状が表にあらわれない、出ても症状が抑えられているため、判断が難しいことがあります。
最近では、ステロイド外用剤を使用しているにも関わらず、赤みが強い皮膚症状があらわれている人も見かけます。つまり、ステロイド外用剤で炎症を抑えているんだけれど、抑えきれないような状態です。不適切かもしれませんが、噴火する寸前の火山のような状態…。
この場合は、強い「熱」が体の中に存在しています。外に出てくる体の中の「熱」を、外に出さないように押さえつけている「重石」がステロイド外用剤です。
漢方薬でこの「熱」を取り除きながら、ステロイド外用剤を減らしても悪化しないような状態に徐々に持って行くことをまず始めていきます。漢方薬を服用することで、徐々に体の中の「熱」を小さくしていくイメージです。
ですが、ステロイド外用剤を急に中止したり、減らす場合に漢方薬だけ抑えきれないことが多々あります。慎重に、時間をかけて減らして行かなければ「リバウンド」を起こしてしまう恐れがあります。そんな方を何度も見てきました。
その場合、ステロイド外用剤を使用することで落ち着くこともありますし、塗っても効果がイマイチのときもあります。塗ってもイマイチの場合、徹底して「熱」をとることをしていきます。
先日も、「熱」をとる漢方薬をのんでいただきながら、ステロイド外用剤を徐々に減らすことをしていましたが、調子が良かったのか漢方薬とステロイド外用剤の両方を減らしてしまい、「リバウンド」が起こった方がいらっしゃいました。「リバウンド」後はステロイド外用剤を塗っても抑えきれず、最初に来られたときよりもひどい状態になっていました。
今回もステロイド外用剤を使用しながら徹底して「熱」をとることで、すぐに枯れていき1週間でキレイに消失しましたが、これはステロイド外用剤で抑えている「熱」がものすごく強いものであることを教えてくれる出来事でした。
ステロイド外用剤の減量は焦らず慎重に行うべきです。