こんにちは。
のどの不快感、異物感があり、詰まった感じがするので「んんん…」とやっても何も出ない…。病院の検査で何度調べても異常が見つからない…。
そんなことを実際に経験したり、そんな人を見たことがありませんか?
この症状は現代人特有のものではなく、すでに何千年も前から、このような症状が『金匱要略』という有名な古典にも記載され、「のどに焼いた肉の塊がくっついている感じ」にたとえられています。
また、梅の種のようなものがのどに引っかかって気になり、飲み込もうとしても、吐き出そうとしてもできない状態として「梅核気(ばいかくき)」と名付けられました。
のどにある異物感は、この他にも魚・鶏の骨、もち、痰の塊など、様々に表現されたりもします。特に唾を飲み込むときに意識して、食べ物や水を飲み込んでも別に支障がないと…いう特徴があります。
人に対してすごく気をつかう人、神経質の人、人間関係を悩む人、細かい人、心配性の人に多い「梅核気」ですが…これは「精神的なストレス」による病気だからです。
中医学では、ストレスが原因で「肝」が疲れ、そのため「気」の巡りが滞り、これに加えて体内の余分な水分がのどに溜まって「痰」が形成された状態…と説明しています。
ですから、治療の基本はストレス解消とともに、体内の「気」の巡りを改善し、「痰」を取り除くことにあります。
これに対して、「紫蘇(しそ)」や「厚朴(こうぼく)」のように精神の抑鬱を解きほぐしてくれる生薬に、水分の巡りをよくする「半夏(はんげ)」、「茯苓(ぶくりょう)」などを配合した「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」をよく使います。