こんにちは。
今月の22日が、「土用の丑の日」にあたります。
「土用の丑の日」のは平賀源内の考えたキャッチコピーだという事でよく知られています。
商売がうまく行かないウナギ屋が、夏に売れないウナギを何とか売るため源内の所に相談に行き、源内が「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めたら、そのウナギ屋は大変繁盛した。その後、他のウナギ屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したという事のようです。
実際にもウナギにはビタミンA・B群が豊富に含まれているため、夏バテ、食欲減退防止の効果あるのですが、ウナギの旬は冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけての時期でなので、秋から春に比べても夏のものは味が落ちるようです。
なので、旬ではない夏にウナギを消費させるために「土用の丑の日」にウナギを食べる事の効果を宣伝した、江戸時代の平賀源内は、流行を意図的に作り出したと言われています。
ボクもこういうイベントでもない限り、確かにウナギは食べないので、まんまと平賀源内の策略にハマっているのかもしれません。
でも、それが間違いであるというわけではないんです。
日本の夏は高温多湿で、大量に汗をかきます。むやみな汗をかくことは、体内の気を消耗して、エネルギー不足の状態(気虚)を招きやすくなります。加えて、冷たい物のとり過ぎは、さらに気虚を加速させます。
ウナギの性質は「腎を補い、虚弱を強壮する」(本草彙言)と言われています。夏のウナギはまさに、“精”のつく薬餌ということですが、ウナギは栄養が豊富です。栄養が豊富だと、消化がしにくいので、胃腸の弱い方は控えめに…。
中医学での効能は「補虚益血(気血を滋養する)」「袪風湿(腰・足の重い痛み、しびれに効く)などがあります。
現代の研究では、「骨粗鬆症の予防」「視力を改善する作用」「動脈硬化の予防」「消炎作用」などがあります。
栄養としては、先ほども出ましたが、ビタミンAです。ビタミンAは動物性食品に多く含まれるレチノールと、緑黄色野菜に多いβーカロチンの2種類があります。鰻にはレチノールが多く、レチノールは光の明るさや色を感じる色素(ロドプシン)の生成促進、気管支や胃腸の粘膜を正常に維持して、皮膚の潤いを正常に保つために働きます。
ウナギの1人前には1日の必要摂取量の3倍のビタミンAがあると言われているので、摂り過ぎると体に蓄積され、不調をきたす場合があるので、特別な時だけに。といっても、なかなか毎日は食べられないですが…。
それだけでなく、気をつけなければならないのは「ウナギの毒性」です。これはあまり聞いた事がないかもしれません。ボクも最近知りました。でも、充分に加熱すると安全なので心配ありません。
ウナギの血液や表皮には主として酸性タンパク質(アスパラギン酸、グルタミン酸)が含まれ、毒性があるんですが、加熱すると毒性は分解されて無毒になるからです。
蒲焼に山椒は、香りでが良いだけでなく、ウナギの脂肪の酸化を防ぎ、消化を助けますので、ベストな組み合わせです。
「土用の丑の日」は旬じゃないけど、ウナギを食べてみてはいかがですか!