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香辛料として有名な「シナモン」。

香辛料としての「シナモン」は「シナモン」の樹皮をはがし、乾燥させたもの。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味がありカプチーノ等の飲料やアップルパイ、シナモンロールなどの洋菓子の香り付けに使われています。南アジア、中東、北アフリカでは料理の香りづけに頻繁に用いられ、インド料理の配合香辛料ガラムマサラの主要な成分でもあります。また、インドのチャイの香りづけにも…。

古代エジプトの古文書にその名が記載されていたり、中国の古墳から出土するなど、古来より医薬品としても用いられてきました。

漢方では「シナモン」のことを「桂皮(けいひ)」と呼びます。

同じ樹木から採取される生薬でも、樹皮の部分は「桂皮」ですが、枝の部分は「桂枝(けいし)」と呼び区別されます。

「桂皮」には、体を芯からジックリ温める効果があるとされています。

辛い冷えに…体の芯を温め、体が自ら温かさを作り出すはたらきを助けます。漢方薬では「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などです。

辛い疲労倦怠感に…体の芯を温め、体が自ら活動力を作り出すはたらきを高めます。漢方薬では「十全大補湯(じゅぜんだいほとう)」などです。

一方「桂枝」の方は、体の経絡を温めて通すはたらきがあるとされています。

寒さが原因のカゼに…体を温めて発汗を促すことで、カゼの進行を防ぎます。漢方薬では「桂枝湯(けいしとう)」「葛根湯(かっこんとう)」「葛根湯加川芎辛夷(かっこうとうかせんきゅうしんい)」などです。

月経痛に…子宮の経絡を通し温め、痛みを緩和します。漢方薬では「温経湯(うんけいとう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などです。

浮腫みや尿の減少に…体を温め水分代謝を促し、胸部や膀胱の経絡を通じさせ、動悸や浮腫み、尿の減少を改善します。漢方薬では「五苓散(ごれいさん)」などです。

腹部の痛みに…寒さによって滞った腹部の気血・経絡の流れを温め通じさせ、痛みを緩和します。漢方薬では「黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)」などです。

「桂皮」と「桂枝」…同じ樹木から採取されていても、細かいですが区別されることがあります。