こんにちは。

このところ、テレビでノロウイルスによる集団感染のニュースを良く目にします。特に、厳しく注意をしている環境下でも起こってしまう…。食品を扱う業者さんは大変だな…と思います。専門家の話を聞いても、完全に予防する…ということは難しいようですね。

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ノロウイルスによる感染症は、年間を通して発症しますが、特に11月から3月に多発するようです。寒い時季に多発する理由は分からないそうですが、ノロウイルスは温度が低くなれば長く生存できるそうです。寒さを好み、乾燥に強い…そして10~100個程度のわずかな数でもうつるほど感染力が強い…という特徴が重なり、冬に多くなると考えられます。

4月になると落ち着いてきますが、暖かくなっても用心は必要です。

また、多数の遺伝子型があるんで、異なる遺伝子型が流行すれば、何度も感染することもあるようです。

食品や人の手を介して体内に入り、腸管で増殖するノロウイルス。感染すると1~2日の潜伏期間の後、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などを起こします。発熱、頭痛、筋肉痛を伴うことも…。

ただ、これらの症状は長くは続かず、2~3日で自然に回復するようです。また、感染しても発症しないケースもあるようです。

感染ルートは「飲食物からの感染(食中毒)」と「人からの感染」。

飲食物の感染では、カキなどの二枚貝が原因となることが知られていますが、衛生管理の徹底から減少傾向にあるそうです。しかし、旬の時季に生で食べる機会が増えたり、不十分な加熱処理でウイルスが死滅しなかったりすると、感染することも…。

人からの感染は、感染者の便や嘔吐物を触れた手を介して口から入る「経口感染」、吐いたときにウイルスを含む飛沫が飛び吸い込む「飛沫感染」、適切に処理されなかった嘔吐物が乾燥し、舞い上がって空気中を浮遊するウイルスを吸い込む「空気感染」などがあります。

ノロウイルスにかかった場合、治療法は対症療法が中心です。ノロウイルスを死滅する抗ウイルス薬は存在しないからです。

症状が軽い場合は、自宅で安静に。

嘔吐がある場合は吐き気止めの坐薬を使い、落ち着いたら小まめな水分補給を。ほとんどの場合は、半日~1日で治まります。

ただ、下痢止めは使いません。下痢はウイルスを体内から出そうとする現象なので、下痢止めはかえって症状を長引かせることも…。

予防は十分な手洗いです。「調理の前」「食事の前」「トイレの後」「汚物を処理した後」「おむつの交換の後」などは、特にしっかりと。アルコールや石けん、中性洗剤などは、ノロウイルスを落としやすくする効果はあるようですが、ウイルスを殺菌することは期待できません。

また、嘔吐物などの処理をするときは、マスク、手袋を着用し、拭き取った後は塩素系漂白剤などで消毒を…。嘔吐物や着用した手袋は密閉して捨てます。

ノロウイルスを殺菌するには加熱が有効で、85℃以上で1分間以上で感染性が失われるようです。まな板や包丁などは熱湯消毒で。

まだまだしばらくは、用心が必要です。