こんにちは。

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昔、東京にいたとき、帰省したときのお土産として、よく「外郎」を買って帰っていました。「御堀堂(みほりどう)」や「豆子郎(とうしろう)」など、有名店がいっぱいありますよね。

色々なルーツをまとめた本の中に、室町時代に、「外郎」は山口県で作られたのがはじまり…と書いてありました。「外郎」は名古屋っていうイメージですが、ルーツは山口…。山口から名古屋に伝わって名古屋名物になったそうですよ。

名古屋の「外郎」は米粉を原料とした蒸し羊羹で、山口はワラビ粉を原料にしています。山口の外郎の方が「モチモチ、プルプル」としていて、本当に美味しいんですよね。

東京で、漢方薬局に勤めていたとき、名古屋の後輩と「外郎」の話でちょっとしたバトルになったことがあります。で、両方が地元から取り寄せて、社長に判定してもらいました…。それぞれ2種類ずつ、分からないように小さく切って…。そのときは、残念ながら名古屋の外郎が選ばれたんです…。

ボクは、そのとき初めて名古屋の外郎を見て、口にしたんですが、山口の外郎と似て非なるものでした。まず、ピンクとかの色でビックリしました。原料が違うので、食感も全く違いました。

なかなか食べ比べることはないでしょうけれど、ボク個人としては、食べ慣れた山口の外郎の方が美味しいと感じました。

外郎の名前って、室町時代に中国から伝わった消臭剤の一種で薬の「外郎」によく似た色と形をしていたことから名づけられたそうです。

薬の「外郎」は、冠の中で蒸れた髪の臭いを消す効果があるそうです。当時、身分の高い人は、常に髪を結って冠をかぶっていたので、頭の臭いが気になったんでしょう。現在のヘアートニックのような物なんだとか…。日本の公家たちに用いられるうち、頭痛や胃熱、口臭消しにもいいと評判になり、広がったそうです。

薬の「外郎」の本当の名前は「透頂香(とんちんこう)」なんだそうですが、これをもって来た中国の役人の名前が「外郎」だったため、そう言われたんだそうです。

それが、薬の名前になり、お菓子の名前になった…ということなんです。

薬の「外郎」はその後、小田原の大名・北条氏に献上されて小田原名物になったんだとか。こっちの「外郎」は、生産量が少ないので、なかなか手に入らない珍品なんだそうです。

…って、本に書いてありました。「山口が発祥」というのは嬉しかったです。