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夏バテ予防には「脾胃」を元気に保つことも大切です。

中医学には「脾は後天の本」という言葉があります。「脾」とは「胃」とともに食べ物の消化吸収運搬を担う臓器のことで、胃腸機能は後天的な生命活動を支える根本…という意味になります。

人が生を受けたあとは、「脾胃」が消化吸収して、体を動かす「気」および体を栄養して潤す「血」を生成することで生命を維持することができるわけです。栄養を吸収する働きがしっかり機能していることは、健康長寿にとって大切なポイントとなります。

ただし、「脾胃」は余分な水分や汚れである「湿」や「冷え」に弱い臓器。そのため、湿気で体内の「湿」が溜まりやすく、冷たいものを摂ることが多い夏は、「脾胃」が傷つきやすくなってしまいます。

食欲不振や消化不良を起こすと、体力を消耗して夏バテなどの不調が現れやすくなります。夏でも温かい食事や飲み物を心掛ける、揚げ物や辛い物は控え目にするなど、「脾胃」をいたわり、元気を養う食生活を心掛けましょう。

「脾胃」を整え、「湿」を取り除く…。胃腸の働きを良くし、体の中の水はけを良くしてあげることが大切です。

山芋、うなぎ、みょうが、いんげん豆、卵、かぼちゃ、大豆製品など「脾胃を補い、食欲を促す」食材や、ハトムギ、緑豆、小豆、きゅうり、春雨、もやしなど「体内の湿を取り除く」食材などを。漢方薬では「勝湿顆粒」「健胃顆粒」「健脾散」「五苓散」「清暑益気湯」などがおススメです。

特にもともと「脾胃」が弱い人は、「体温より低い冷たい飲食物を避ける」「21時以降は冷た飲食物を摂らない」「どうしても冷たい物が欲しいときは、少しずつ時間をかけて入れる」を心掛けてください。

また、夏の過ごし方、暮らしの養生としては「十分な睡眠で疲労の回復」を。暑さで寝不足のときは昼寝もおススメです。「体を動かすときは、朝夕の涼しい時間」を利用して。夏でも「温かい飲食」が基本、胃腸に負担をかけない食生活を。「水分補給を忘れず」に、ただし飲み過ぎ、冷たいドリンクはNGです。「入浴で血行促進」を、冷房による冷えを防ぎ、夏バテ予防につながります。そして、夏は発散の季節なので、「イライラなどの感情も溜め込まずに発散」することも大切です。