こんにちは。
梅雨明けしたのかどうか分かりませんが、気温がグッと上がり毎日暑いです。
気が付くと、最近ではセミの鳴き声をよく耳にするようになりました。セミの鳴き声は、五感に訴えかけます。
ウチの周りでも、セミの抜け殻をよく見ます…。「これからセミの季節が来るな」と意識したと同時に、あちこちからセミの大合唱が聞こえるようになりました。
特にウチの薬局の裏のお宅の生垣には20~30個のセミの抜け殻が…。
そんなセミの抜け殻は漢方でも使用され、生薬名を「蝉退(せんたい)」と言います。
蝉退は皮膚疾患によく使われる「消風散(しょうふうさん)」という処方などに入っているのですが、皮膚の痒みを抑える作用があります。
セミが鳴く季節は今ですが、「1年中セミの鳴き声が聞こえる!」という人…それは「耳鳴り」かもしれません。
中医学では、「腎」の衰えからくる「虚証」の耳鳴りは、ジージーとセミが鳴くような小さな音が持続し、周りが静かになった夜間など、特に気になる…といった特徴があります。
「腎の精を蔵す。精は髄を生じ、脳は髄の海」という中医学独特の考え方によると、「腎」の精は髄を生じ、脳に集まって耳を養う…ということなのですが、病気による消耗や老化による「腎精」の不足から、脳が空虚になり、耳鳴りを引き起こす…と考えます。
「腎は耳に通じる」「腎が健康なら、五音を聞き分けることができる」という考えがあり、耳の状態は「腎」の健康状態を表しているわけですが、もちろんそれだけが原因ではありません。
今のところ、ボクがセミの鳴き声が聞こえるのは今の時期だけです…。