こんにちは。

冬に多いウイルスには、 インフルエンザやカゼの原因ウイルスであるコロナウイルスやライノウイルス、RSウイルスが流行します。

また、 激しい下痢症状を引き起こすノロウイルス、ロタウイルスも流行します。

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ノロウイルスは夏に多い細菌性の食中毒とは違い、11月から3月ごろの寒い時期に発生します。

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1968年、米国オハイオ州のノーウォーク(Norwalk)という町の小学校で集団発生を起こしたウイルスを、研究者が仮に「ノーウォーク様ウイルス」と命名し、それが正式にウイルスの名前になったのは近年だそうです。国際的なウイルスの命名法「英字4文字+ウイルス」に則り、「ノーウォーク様ウイルス」が「ノロウイルス(NORO-Virus)」となりました。

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感染ルートは「飲食物からの感染(食中毒)」と「人からの感染」。

飲食物の感染では、カキなどの二枚貝が原因となることが知られていますが、衛生管理の徹底から減少傾向にあるそうです。しかし、旬の時季に生で食べる機会が増えたり、不十分な加熱処理でウイルスが死滅しなかったりすると、感染することも…。

人からの感染は、感染者の便や嘔吐物を触れた手を介して口から入る「経口感染」、吐いたときにウイルスを含む飛沫が飛び吸い込む「飛沫感染」、適切に処理されなかった嘔吐物が乾燥し、舞い上がって空気中を浮遊するウイルスを吸い込む「空気感染」などがあります。

ノロウイルスに感染すると、24~48時間後から吐き気、下痢、腹痛の症状が出て、1~2日続きます。ノロウイルスを死滅する抗ウイルス薬は存在しないので、治療法は対症療法が中心です。

嘔吐がある場合は吐き気止めの坐薬を使い、落ち着いたら小まめな水分補給を。下痢止めは使いません。下痢はウイルスを体内から出そうとする現象なので、下痢止めはかえって症状を長引かせることも…。

予防に有効なのは、石鹸と流水による手洗いです。

嘔吐物を片付けるときにはゴム手袋をつけ、ペーパータオルなどでそっと拭き取ります。その後、5%次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)を50倍に薄めた消毒液で浸すように消毒します。逆性石鹸(オスバンなど)やエタノールなどの消毒剤は効きません…。マスク、手袋を着用し、作業後は嘔吐物や着用した手袋は密閉して捨てます。

カキのような二枚貝からの感染が心配な場合、85度で1分以上の加熱をすることで大丈夫だそうです。同じく、まな板や包丁などは熱湯消毒で行うといいと思います。

漢方薬ではこの場合、症状が出たらすぐに「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」「シベリア霊芝」「五行草」を使います。特に「五行草」の薬理作用は多彩で、腹痛、下痢、湿疹、皮膚炎、おでき、ニキビ、イボなどに使われます。西洋でも胃腸薬、便秘薬としても使われます。

これからしばらく、用心が必要な季節です。