こんにちは。
昨日の閉店後、中医皮膚病IP講座がありました。
今回は、2人の薬局の先生による「接触性皮膚炎」と「アトピー性皮膚炎」の症例でした。この症例をもとに、担当中医師の劉桂平(りゅう・けいへい)先生が治療方針や漢方処方なのアドバイスしてくださいました。
1例目の「接触性皮膚炎」の症例は、もともとは掌(手のひら)にできた原因不明の湿疹でした。
発症して間もないもので、漢方薬の内服と外用ですぐに改善していきました。しかし、趣味の畑仕事や掃除など手を酷使すると症状が悪化する…ということが途中で分かり、「接触性皮膚炎だ」と判断されました。悪化したときは、そのときだけ漢方薬を増やしながら、上手にコントロールされていました。ただ、趣味の畑仕事を続ける以上、原因を取り除けません…。皮膚に刺激が伝わりにくい工夫をしながら上手に付き合っていく…ということも視野に入れながら、皮膚症状としては短期間で改善された症例でした。
劉先生は「掌蹠膿疱症」の可能性も指摘されていましたが、漢方薬での対応はそんなには変わりません…。この症例の方は食事の指導をキチンと守られていたので、改善が早かったのでは…とのことでした。
2例目の「アトピー性皮膚炎」の症例は、もともと精神疾患で来店された方でした。「アトピー性皮膚炎」もひどい状態で、病院で治療も受けられおられ、ステロイド外用剤も20年以上使用されているようです。皮膚症状は全身に渡り赤みが強く、厚くゴワゴワして色素沈着が目立ちます。症状が落ち着くと、不安感も和らいでくるとのことでした。
「アトピー性皮膚炎」は発症してから長いですし、ステロイド外用剤も簡単にはやめられません…。「皮膚の炎症を落ち着かせる漢方薬」と「気持ちを落ち着かせる漢方薬」を処方され、心療内科の薬はやめることができました。漢方治療は1年以上に渡っていますが、皮膚症状は赤みの改善が多少見られたものの、依然としてゴワゴワと色素沈着が目立ちます。そして、ステロイド外用剤の使用は今も続いているようです。
20年以上ステロイド外用剤を使用されているので、表面に見えている皮膚症状は改善したとはいえ、皮膚症状が軽く見えている「見せかけの皮膚の状態」。「良くなったから…」と急に中止するとリバウンドを起こす可能性が高いです。漢方薬の内服、スキンケアなどの外用を続けながら、ステロイド外用剤を減らしていくことがいいと思いますが、そんなに簡単なことではなく、時間と根気のいることだと思います。
劉先生も同じく、引き続き漢方薬の内服と外用、そして食事の徹底をおっしゃっていました。ゴワゴワと色素沈着の改善に、内服の中に「活血剤」を加えてみては…という提案をされていました。
今回の2つの症例は、ともに気付きの多い症例でした。