こんにちは。

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ボクたちの体には、カゼなどのウイルスが侵入すると、ウイルスに感染した細胞を探し、破壊する仕組みが備わっています。これは「免疫力」によるものですが、この「免疫力」を高めるためには、平熱よりも高い体温が必要となります。

そのため、普段は平熱を維持するように働いている脳の「視床下部」の体温調節中枢が、設定温度を上げて免疫細胞が活性化する状況を作り出します。つまり、発熱は病気そのものではなく、ボクたちの体が病気と闘っている証拠。発熱したから…といって無理に熱を下げようとすることは、「免疫力」の活性化を妨げて逆効果になってしまいます…。

解熱剤の使用で病気が早く治るわけではありません。原則として、発熱が軽度でほとんど苦痛を訴えない場合には解熱剤の必要はないとされています。

しかし、発熱が続くとエネルギーが消費が高まるため、体力の消耗が激しくなります。体温が平熱よりも1℃上昇すると基礎代謝は13%上昇、タンパク質の分解は普段の2倍以上になります。タンパク質は全身の細胞を作る材料なので、その減少は体力と機能の回復を遅らせることに…。加えて、高熱で食欲がなくなると、より一層体力が低下してしまいます。

このような場合には、体力の消耗を防ぐために解熱剤を使用することがあります。

解熱剤を使用する目安として、38.5℃以上の発熱が続き、「機嫌が悪い」「食事がとれない」「夜間睡眠がとれない」といった症状があれば使用を考えます。38.5℃以上でも、元気があり、食事や睡眠がとれるようなら必要はないかもしれません…。逆に、体温がそれを高くなくても、機嫌が悪かったり、食欲がなかったりする場合は使用することも…。

解熱剤の使用には「感染症の治りが遅くなる」というデメリットもありますが、一方で「苦痛を除き安静を保つ、体力の消耗を防ぐ」といったメリットがあるわけです。