こんにちは。
「気」「血」「津液(水)」は、ボクたちの人体の基礎物質と考えられ、このバランスをチェックする物差しです。
中医学では、この「気」「血」「津液」が体の中を不足なく、しかもちゃんと巡っていることが「健康」な状態である…と考えます。この状態(中庸)のバランスが乱れてしまうと、人は「健康」の枠から外れていきます…。
その中の「津液」とは、体内にある様々な水液の総称…。ただし「津液」とは正常な水液のことを言います。
「津液」は、皮膚、目、鼻、口、耳、性器など、体の表面に行き渡り各部位を潤したり、さらに骨、臓腑、脳、髄などの体の内部にも行き渡り各部位を潤したり、関節にも行き渡り関節をスムーズにする…というはたらきをもっています。
「津液」は「血」の原料であり、陰陽では「陰」に属します。そして、「津液」の量は体内の陰陽のバランスに影響します。
たとえば、暑いときには汗を沢山かきます…。すると体内の「津液」が少なくなり、陰陽のバランスが崩れてしまいます。これを改善するには水が必要…ということから、ボクたちは「のどが渇く」…というわけです。
逆に、寒いときは汗がほとんど出ません…。不要な水を汗としては出せないので、主にオシッコで出すようになります。ボクたちの体は、環境に応じ「津液」が停滞するのを防ぎながら、陰陽のバランスを保っている…というわけです。
また、「津液」には熱病に対する抵抗力にもなります。
たとえば、枯れ木には簡単に火をつけることができますが、切ったばかりの生木にはそう簡単に火がつけることができません…。つまり、「火にとって、水が満ちているものは侵しにくい」ことを示しています。それはボクたちにとっても同じこと…。
たとえば、感染症の熱病の多くが「熱邪(ねつじゃ)」に侵されることで起こると中医学では考えます。もしも「熱邪」に侵されても、体内に「津液」がしっかりあれば、「邪気」はなかなか内部に入っていけません。
皮膚病もそうです。ドライスキンやバリア機能が低下している肌では、再発しやすくなります。再発を繰り返すような肌は、炎症により体の潤いが消耗し、潤いが消耗するとさらに乾燥が進む…というケースが多いようです。
反対に皮膚が潤っている状態であれば、炎症が起こりにくく、燃え広がりにくくなります…。炎症をコントロールしながら潤すことが重要だと思います。
「津液」には、「熱邪」への抵抗力となるはたらきがある…。感染症の予防だけでなく、皮膚病の慢性段階や美肌づくり・再発防止段階において、ボクが重要だと考えているところになります。