こんにちは。
先日、東京から中医師の劉伶(りゅうれい)先生を招いて、「ミニ講演会+薬膳料理の食事会」を開催しました。
今回は、「春の養生」についてのお話でした。…といっても、ここにきて全国的に真夏のような蒸し暑さが続きます…。テレビでも言っていましたが、地球温暖化のせいか春が短いように思います…。
それはともかく、春には花が咲き青葉や草が萌え、自然界はのびのびとしていますが、日本では卒業、入学、入社など色々な行事があり、忙しく時期で体調を崩しやすくなります。
そんな春におススメの食材として、「香りがあるもの」「温かいもの」「ビタミンC」「タンパク質」を挙げられました。
セロリ、大根、菊の花など「香りがあるもの」は発散させることで気の巡りを良くしますし、ネギ、生姜、みょうがなど「温かいもの」はやる気を高めます。
中医学では「春は肝の季節」であるとされています。柑橘類、いちご、トマトなど「ビタミンCを多く含むもの」は「肝」を養い、鶏の胸肉、ササミ、魚など「タンパク質」は「肝」に栄養を与えます。
飲みものとしては、ジャスミンティー、菊花茶など…。これらも香りがあり、発散させます。
春に起こりやすい自覚症状としては、「眠い」「寝付きが悪い」「疲れやすい」「イライラ、クヨクヨ、興奮しやすい」「食欲がない」「下痢しやすい」「目の疲れ、ショボショボ」「乾燥肌」「痒み」…など。
繰り返しになりますが、「春は肝の季節」であり、春のトラブルは「肝」に関係すると言われます。「肝」は気の流れを左右し、情緒をコントロールし、血を蔵し、消化を促す作用があります。言うなれば、「肝」は自律神経のはたらきをコントロールしているとも考えられます。
自律神経は心臓を動かしたり、汗をかいたり、自分ではコントロールできない自動的にはたらく神経のこと。そのはたらきは、アクセルである交感神経と、ブレーキである副交感神経のバランスによって成り立っています。
このバランスが崩れやすいのが春であり、中医学では「肝」のはたらきと関係している…と考えています。
そのため中医学では、精神をリラックスさせる「疏肝(そかん)」、気の流れを良くする「理気(りき)」、血を補う「補肝血」、陰を補う「補肝陰」、精神を落ち着かせグッスリ眠れるようにする「安神(あんじん)」…などの方法により、「肝」を中心に、そのバランスをとるように考えていきます。
今回、その代表的な漢方薬を紹介されながら、春の養生についてお話されました。