こんにちは。

11月7日は「やまいち漢方薬局」としてリニューアルして2年になります。

その間、店頭に少しずつ店頭・店内を気持ちの良い空間にするため植物を揃えていきました。

そういうことをしていると、ボクの植物に対する意識が変わり、植物に興味が出て、園芸店に行くことが随分と増えました。

先日、園芸店に行ったときに「仏手柑(ぶしゅかん)」が売っていました。

漢方薬を扱っているのでその存在は知っていましたが、正直「こんな苗まで園芸店で買えるのか!」と驚いたのとともに、一期一会だと思い、購入することにしました。「仏手柑」は、その実が仏様の手のような形をした縁起樹ということですが、中身は食べられるわけではなく、その皮を砂糖漬けやマーマレードにして食べるのだそうです。漢方薬も成熟果皮を使用します。

漢方薬としては「舒肝和胃・行気止痛」の働きがあるので、ストレスで張ったような痛み、痞え、食欲不振などに使うようです。

その他、漢方系の植物では「枸杞(くこ)」もあります。その実は「クコの実」と呼ばれ、よく杏仁豆腐の上にのっている、あのレーズンみたいな赤い実です。目にいい生薬として有名です。生薬名は「枸杞子」と言います。

漢方薬としては「滋補肝腎・明目」「潤肺」の働きがあるので、老化を緩やかにする(スローエイジング)、視力の減退、乾燥からくる慢性咳嗽などに使われます。「飲む目薬」と言われる「杞菊地黄丸」の中にも入っています。

だいぶ落葉して針金のようになっている「棗(なつめ)」。まだ一度も実をつけたことがないです。「棗の実」の生薬名は「大棗(たいそう)」です。

漢方薬としては「補脾和胃」「養営安神」「緩和薬性」の働きがあるので、胃腸を元気にしたり、メンタルの改善や薬の副作用軽減などに使われます。

最後は「桑」です。桑の実はマルベリーとも言われていて、果実が傷みやすく、流通しないそうです。その実にはアントシアニンの他、ビタミン、ミネラル、亜鉛が豊富に含まれています。また葉には植物の中に桑にしかないDNJ(デオキシノジリマイシン)が血糖値の上昇を抑えるとして注目され、またGABA(アミノ酸の一種)も多く含まれていることから健康茶として飲まれています。

漢方薬としては葉が使われ、「桑葉(そうよう)」と呼ばれます。「疏散風熱」「清肺潤燥・止咳」「平肝陽」「明目」の働きがあるので、カゼの熱や咳、頭のふらつき・めまい、目の充血などに使われます。

今のところ漢方系の植物は4つですが、これからも少しずつ増えていきそうです。