こんにちは。

近いけれど、なかなか機会がなくて行かない場所ってあるんじゃないかと思います。

ボクにとって「菜香亭(さいこうてい)」はそんな場所かもしれません。

明治10年(1877年)、上竪小路に料亭として創業し、山口県出身の政治家や文人らに親しまれた「祇園菜香亭」。平成8年(1996年)に閉店し、その後山口市天花の地に移築され、今は文化交流施設として利用されています。移築前の木材などをできるかぎり使用した建物の中には、伊藤博文や佐藤栄作らの書も飾られており、当時の面影を今に伝えています。

名付け親は井上馨だそうで、「(料亭主人・斉藤幸兵衛の名前より)斉・幸の語音を借用して亭の名に与えた」とあります。

そんな歴史の詰まった「菜香亭」で、山口中医薬研究会の勉強会がありました。

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「菜香亭」のお部屋は貸し出しが可能で、ボクたちが借りた会議室は板張りの約30畳もある立派なものでした。入り口を入ってすぐの階段を上がるとあります。

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この「菜香亭」では、6月12日~8月10日まで「山口と七郷落(しちきょうおち)展」が開催されています。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」にも登場する三条実美ら攘夷派の公家7人が、文久3年(1863年)8月18日の政変で、京都から山口へ下向してきたことを言います。ドラマでも、ちょうどその辺りです。1年以上に及ぶ山口滞在中の出来事や関連史跡を紹介している企画展です。

勉強会が終わると、有名な大広間やその展示の数々を見せていただきました。

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大広間には山口県の政治家の書が飾られているんですが、今だけでしょう…NHK 大河ドラマ「花燃ゆ」のキャストの写真が説明文の脇に添えられていました。木戸孝允(東山紀之さん)、伊藤博文(劇団ひとりさん)、井上馨(石井正則さん)など…。それに佐藤栄作、岸信介など昭和の政治家の書も…。

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さらには、今の安倍晋三首相の書もありました。「寂然不動(じゃくぜんふどう)」。心は静かに穏やかだけれど万事にも動ぜず、信念は曲げない…という意味だそうです。2009年の9月に「菜香亭」へご自身で届けられたんだそうです…。ですから、第一次安倍内閣の後のことです。

今回、山口中医薬研究会の勉強会を機に「菜香亭」の中、展示品の数々を見せていただくことができてました。